貴重な「平野の原風景」 保護活動実り、植物450種以上 成東・東金食虫植物群落 【ふさの国探宝】

山武、東金の両市にまたがる「成東・東金食虫植物群落」で開催された「秋の観察会」では20人ほどの参加者が群落内を見て回った=10月
山武、東金の両市にまたがる「成東・東金食虫植物群落」で開催された「秋の観察会」では20人ほどの参加者が群落内を見て回った=10月
保護活動や案内活動に取り組む「成東・東金食虫植物群落を守る会」の岩瀬会長
保護活動や案内活動に取り組む「成東・東金食虫植物群落を守る会」の岩瀬会長
湿原の中に建てられた天然記念物を示す石柱。1920年の指定時の名称は「成東町肉食植物産地」だった
湿原の中に建てられた天然記念物を示す石柱。1920年の指定時の名称は「成東町肉食植物産地」だった

 JR成東駅から南東に約2キロ。歩みを進めると、青々とした約3万2000平方メートルの湿原が目に飛び込む。山武、東金の両市にまたがる「成東・東金食虫植物群落」。450種類以上の植物が確認され、1920年に国最初の天然記念物に指定された。地元住民の保護活動が続き、貴重な自然が維持されている。

 成東・東金食虫植物群落は、山武、東金の両市にまたがる約3万2千平方メートルの湿原。九十九里平野の中央部を流れる作田川沿いに位置し、8種類の食虫植物をはじめ450種類以上の植物が確認されている。環境省レッドリストに掲載されている植物は約30種。周囲には農地や住宅が迫っているものの、地元住民による保護活動が実を結び、九十九里平野の原風景が残されている。

 同群落は1920(大正9)年、日本で最初に指定された天然記念物10件のうちの一つ。指定当時の名称は「成東町肉食植物産地」。今年4~9月に放送されたNHK連続テレビ小説「らんまん ・・・

【残り 1139文字、写真 3 枚】



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